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ネットに落ちてた怖い話

第59章 アケミちゃん

タイミング的に明らかに轢かれたのはアケミちゃんのはずなのだが…とふと道路の端のほうを見ると、なんかの残骸みたいなものがいくつか転がっている。

恐る恐る近付いてみると、それは人形の残骸だった。

そして、胴体や足の部分の衣服などを見る限り、それはどう見てもアケミちゃんのものだった。

俺は混乱した。

たしかに人形みたいな形跡はあったが、こんなあからさまに安っぽい人形の姿では無く、もっと質感的にも普通の人間っぽかったはずだ


ここにあるのはなんだ?

どういうことだ?

“私”を神社に投げ込んだからお払いが出来たのか?

そんなご都合主義な事がありえるのか?


頭の中が「?」でいっぱいになった。

が、目の前にある現実は変わらない。

そうこうしていると警察がやってきた。

俺も一応目撃者というかある意味被害者なので、色々と事情を説明したのだが、当然意味不明すぎて警察も信じてくれない。

アケミちゃnらしきものを轢いてしまった人も、あまりにも意味不明で何が起きているのか理解できないらしく、なんかちょっと興奮気味に警察に何か話していた。


ただ一つだけ不思議な事があった。

人形って普通は手や足を胴体と繋ぐジョイント部分ってものがあるよな?

この人形、警察も不思議に思っていたようだが、そういうジョイント部分が一切なかった。

つまりどうやって人の形に接続されていたのかがさっぱりわからない。

アケミちゃんのあの姿からして中に何か入っていたんじゃないかとか、色々怖い想像をしてしまうのだが、今となっては何も解らない。

そもそもこの人形の残骸は、そのまま警察が証拠品として持ち帰って行ってしまい、その後どうなったかわからないからだ。

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