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ネットに落ちてた怖い話

第27章 姦姦蛇螺

山への方角にずらっと続く柵を伝った先、しかもこっち側にあいつが張りついていた。

顔だけかと思ったそれは、裸で上半身のみ、右腕左腕が三本ずつあった。

それらで器用に綱と有刺鉄線を掴んでい〜っと口を開けたまま、巣を渡る蜘蛛のようにこちらへ向かってきていた。

とてつもない恐怖


「うわぁぁぁぁ!!」


Aがとっさに上から飛び降り、オレとBに倒れこんできた。
それではっとしたオレ達はすぐにAを起こし、一気に入り口へ走った。

後ろは見れない。
前だけを見据え、ひたすら必死で走った。

全力で走れば三十分もかからないだろうに、何時間も走ったような気分だった。

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