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ネットに落ちてた怖い話

第43章 ヒッチハイク

俺は意を決して、女子トイレに入り、泣き声のする個室に向かい声をかけた。

「すみません…どうかしましたか?」

返事はなく、まだ泣き声だけが聴こえる。

「体調でも悪いんですか、すみません、大丈夫ですか」

泣き声が激しくなるばかりで、一向にこちらの問いかけに返事が帰ってこない。

その時、駐車場の上に続く道から、車の音がした。

「出ろ!!」

俺は確信とも言える嫌な予感に襲われ、女子トイレを飛び出し、カズヤの個室のドアを叩いた。

「何だよ」

「車の音がする、万が一の事もあるから早く出ろ!!」

「わ、分かった」

数秒経って、青ざめた顔でカズヤがジーンズを履きながら出てきた。
と、同時に駐車場に下ってくるキャンピングカーが見えた。

「最悪だ…」

今森を下る方に飛び出たら、確実にあの変態一家の視界に入る。
選択肢は、唯一死角になっている、トイレの裏側に隠れる事しかなかった。

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