こうするしかなかったんだ
第12章 苦悩
「葉月はまだキスしかしてないの?」
遊びに来ていた咲希に唐突に聞かれて、飲みかけていたお茶を噴きそうになった。
「うん、まだ」
「なんで?」
「しないといけないのかな…」
「先輩、我慢してるだろうね」
「そうゆうもんなの?」
「好きな子に触れたいって思うでしょ。全て見たいみたいな…」
「裸を見ることが全てを見るってことになるの?」
半ば喧嘩のようなやりとりになってくる。
葉月には理解できない。相手の裸を見る事よりも、相手の心を見たい。それが葉月にとっては全てな気がする。