テキストサイズ

こうするしかなかったんだ

第4章 初めてのお泊まり




姫葵をリビングに通すとすぐ、お父さんの仏壇を見つける。

「葉月のパパって…」

「うん、もうずっと前に亡くなってる」

そう言うと仏壇に歩み寄り手をあわせる姫葵。

葉月は姫葵の行動がとても嬉しかった。

そしてそれは葉月の母にとっても同じだった。

「姫葵ちゃん、ありがとう」

お母さんはそう言いながらテーブルにお茶を置いた。

「あ、そうだった。忘れてた!」

姫葵が駅からずっと持っていた紙袋を葉月の母に渡す。

「葉月から葉月ママがチョコが好きって聞いて…。口に合うか分からないですけど…」

「姫葵ちゃん、本当にありがとう。せっかくだから、みんなで食べましょう」

姫葵が気を遣っている姿が新鮮すぎて葉月は吹き出してしまいそうになる。

みんなでリビングに座ってお茶をする流れになった。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ