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こうするしかなかったんだ

第4章 初めてのお泊まり

《葉月side》



葉月は分かっていた。

小中学とあまり友達と深く付き合わず、遠くから見ていたから。いわゆる人間観察。

人は常に誰かを妬む。

女子の習性なんだろうか。

私はそうなりたくないから、誰とも深く付き合ってこなかった。

だから姫葵とも仲良くはしているが、それほど心を許したわけではない。

あの女子たちの忠告も多少盛ってはいるだろうが、事実なんだろうと感じていた。

だからって軽蔑したりはしていない。

姫葵の生き方と私は違うから。

きっと姫葵は相田くんと付き合うことになるだろう。悔しくて悲しくて仕方ない。

だけど今から姫葵より先に何かしようとは思っていない。

ゴタゴタに巻き込まれたくないから。

だけど、2人の姿を目の当たりにできるだろうか。

その時の為の心の準備だけはしておこう。

私が密かに想い続けた記憶は確かだから。

葉月は綺麗な思い出のまま、自分の気持ちに蓋をすることにした。

それが戦う前から逃げているのは分かっている。

でも不毛な争いをして無駄に誰かを傷付けるのが怖い…いや、自分が傷付くのが怖いんだ。

私はただのヨワムシなんだ。



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