こうするしかなかったんだ
第5章 告白
「咲希ちゃん。私、先輩が好きって分かってから話せなくなっちゃったの。どうしたらいい?」
咲希ちゃんは真剣に悩んでくれている。
「葉月ちゃんはどうしたいの?」
「ちゃんと話せるようになりたい」
「何で話せないの?」
「緊張する」
「好きな人と話すの緊張するよね。そしたらもう勇気を出すだけじゃない?」
勇気…か…。
私に1番ないものだな…。
「当たって砕けろ!…砕けたら慰めてあげるから」
「砕けたくない…」
弱気になる私の頭を大丈夫とでもいうようにポンポンしてくれた。
顔を両手で叩き、気合を入れる葉月だった。
「葉月ちゃん、顔叩きすぎ!真っ赤になってる!」
咲希ちゃんがハンカチを水道で冷やしたものを頬に当てながら、2人で顔を見合わせて笑った。