こうするしかなかったんだ
第5章 告白
「葉月ちゃん、大丈夫?」
ベンチに座る先輩が見上げるように私を見てくる。
「座って」
そう言われて何故か目を閉じてエイッて座ったから、目を開けてあまりに先輩と近かったから、ビックリして飛び上って距離を空けた。
先輩はずっと笑いを堪えていると思ってたら、吹き出すように大きな声で笑いはじめた。
その笑った顔がまた好きだな〜って思って景色を眺めるように見ていた。
「葉月ちゃん、最近避けてる?」
えぇ、避けてますとも!と心で思いながら首を思い切り振る。
「そんな首振ったら痛くなるよ」
もう痛いです…。
「せっかくのグループだから仲良くやりたいし、困ってることあったら言ってね」
「はい…ありがとうございます…」
「やっと声聞けた」
先輩はずっと私のことを見て話してくれてるんだろうな…頭頂部ばかり見せてすみません…。
「もしかして…俺のこと苦手?」
「まさか!逆です!逆!!」
ボリューム機能が壊れている私は叫んでしまっていた。
「逆って…」
ヤバイ!なんか告白してるみたいになっちゃった!
途端に涙が溢れてきて止まらなくなってその場から逃げ出そうと立ち上がると腕を掴まれた。
「ちょっと待った」
掴んでる先輩の手が熱い。
初めてちゃんと先輩の顔を見た。