こうするしかなかったんだ
第6章 盲目
「どうゆう事ですか!」
姫葵は声を荒げ、壱聖に突進していく。
「葉月がはぐれたのは葉月だけのせいなんですか?!先輩だって気付かなかったんでしょう?そりゃ、葉月ボーッとしてたかもしんないけど…こんな謝ってるのに!!」
壱聖に飛びかかるんじゃないだろうかという勢いで姫葵はまくし立てている。
「姫葵、もう良いから。姫葵、探してくれてありがとう。でもきっと姫葵のグループの人も探してるんじゃない?」
「そうだけど…だけど葉月…」
「ありがとう。でももう戻らなくちゃ。いろんな人に迷惑かけてるから」
その場を、この空間から逃れるように葉月は歩き出したけど、そっちじゃないと壱聖に言われて素直に壱聖の後ろを歩く。
その背中に葉月の落としたリュックがあった。
言葉はないけど。
何も言わず持っていてくれてる背中に安心した。
そして姫葵は姫葵のグループに戻り、葉月たちも無事、合流しゴールする事ができた。