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こうするしかなかったんだ

第2章 入学式




「ねぇ、葉月。一つだけ覚えていて欲しい事があるの」

「何?改まって…」

「うん…。なんて言って良いか分からないけどね。きっとこれからお母さんが知らない葉月がどんどん増えてくんだろうけど…。どんな葉月でもお母さんは葉月が変わらず大好きだし、いつでも味方でいるから…。その…うん…お母さん本当は何でも話して欲しいって思ってるけど…」


お母さんの目からは涙がこぼれそうになっていた。

涙もろいお母さん。

節目節目で必ず笑顔で泣いてた。

そんなお母さんの子供の私も涙もろいから、危うくもらい泣きしてしまうとこだった。

だからお母さんの顔を見ずに前を向いた。

「ありがとう」

そう言って小さい時みたいにお母さんと手をつないだ。




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