こうするしかなかったんだ
第7章 夏のはじまり
「ちゃんと話さなくちゃと思ってさ。俺、3年だし大学行こうと思ってて。行きたい大学がさ、遠いから自宅からは通えないんだ」
ピンとこない葉月。
「だから、もし受かったら遠距離になるしそれ以前に受験勉強もあるから、あんまり会えなくなるかもしれないんだけど…」
まだまだピンとこない。今はただ壱聖の事が好きだから、その気持ちしかなくて。会えなくなることがどれくらい葉月にダメージになるかなんて想像もつかなくて、何も答えられない。
「だけど!俺葉月ちゃんのこと本当に好きだから頑張りたいって思ってる」
「会えなくなるのは淋しいですけど…応援してます、私…」
「ありがとう」
壱聖に抱きしめられる。