こうするしかなかったんだ
第8章 突撃
綺麗に片付いていたけど、勉強の途中だったのか机の上は参考書や問題集が広げられていた。
「姉貴ごめんね、うるさくって」
「いえ。嬉しかったです」
「そう?」
「はい。それより先輩勉強の途中だったんですね…すぐ帰ります、私…」
「息抜きしてたんだ。そしたら葉月ちゃんに会えたから夢かと思ったよ。めちゃくちゃ会いたかったから」
照れながら話してくれる壱聖の言葉が全部嬉しいことばかり。
「だけどさ、葉月ちゃん全然会いたいとか言ってくれないからさ、我慢比べしてやろうって思って意地悪しちゃった」
そうだったんだ…。先輩も不安になったりしてくれたのかな…。