こうするしかなかったんだ
第9章 誤算
姫葵は奏太の手を取り歩き出す。
振り払おうと思えばできるだろうけどできないでしょ。
私と街を歩くと優越感に浸れるでしょ?通り過ぎる男たちが振り返るほどの女の子連れて歩いてるんだから。
「どこ行く?」
「とりあえずお茶でもする?」
カフェに入る。
どこにいっても姫葵は注目の的になる。
でも、そんなことお構いなしに奏太は姫葵の気分を害していく。
「三浦のことなんだけどさ…」
「ん?」
「三浦、俺のことどう思ってんのかな」
直接聞けよ、情けない奴。
「葉月って引っ張ってくれる大人っぽい人が好きみたいだよ」
奏太とは正反対のタイプだと遠回りに伝える。
「奏太くんは彼女いたことあるの?」
いないだろうなと思って聞いたけど、やっぱりそうだった。