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手紙~届けられた想い~

第1章 手紙~届けられた想い~

 家に帰ると真っ先に自分の部屋に入る。

「なんで……こうなのかな」

 独り言で呟き、おもむろに机の引き出しを開けた。クリスマスのデートの時にあげるはずだった、リングが付いたペアのネックレスを取り出して、それを見つめる。

 もう一つ、初デートのときに撮ったプリクラも見た。あるのは、二人の笑顔。

 あの時は、考えていなかった。二人に別れが訪れるなんて。私は、また泣いた。

「なんでっ。なんでいつもこう……」

 部屋で一人、同じことを繰り返し言う。私は、いつの間にか眠りに落ちる。

 夢を見た。初デートの時の二人の笑顔と手を繋いだ温かさ。そんな過去の夢。目覚めると泣いていた。

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