テキストサイズ

手紙~届けられた想い~

第1章 手紙~届けられた想い~

“Dear 大樹

 突然、こんなことしてごめんなさい。けど、どうしても言いたいことと渡したいものがあって。迷惑だったらごめんなさい。こんなことするの最初で最後だから。

 私ね、不器用だから素直に言葉、言えなかった。だけどね、やっぱり自分の気持ちは、ちゃんと伝えなきゃって思ったの。だから、最後まで読んで下さい。

 ねぇ、大樹、覚えてる? 朝早くに来ていきなり「好きです! 付き合って下さい」って言ってくれたの。

 私さ、告白されたのとか初めてだったから嬉しかったよ。私が「うん」って答えたら思いっきり喜んでたよね。つい3ヶ月前なのに懐かしいよね。

 それから毎日毎日、一緒に学校行ってさ、凄く楽しかった。
 あとね、初デートでは、買い物して駅ビルの大きな観覧車乗って、景色がすんごく輝いて見えたんだよ。

 最後に、ゲーセン行って、音ゲーして、プリクラ撮って帰ってきたよね。覚えてる? その時、初めて手繋いだね。

 楽しみにしてたんだよ。リングが付いたペアのネックレスをプレゼントに買ったんだよ。ケーキだって作って渡そうと思ってた。

 だからね、余計に辛かったんだ。だから振られた時、あんなに冷たくしちゃったんだ。ごめんね。

 大樹、大好きだったよ。本当は、今でも大好きだよ。それじゃあ、今までありがとう。さよなら、またね。

 From 沙由希”

 封筒の中に手紙とプレゼントを鞄の中に入れた。そして、眠りにつく。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ