レット・ミー・ダウン【ARS・NL】
第4章 モーニングセット【翔】
ようやく自宅に帰ったらすぐにミカに電話を入れた。
「ミカ、長い間店をまかせてごめんね。助かったわ、ありがとう。」
礼を言う私の言葉をさえぎるように、ミカはすごい勢いでまくしたてた。
「それよりお姉ちゃん、来たのよ! 店に来たのよ!」
「来たって、誰が?」
「櫻井翔が店に来て、モーニング食べたのよ! 眼鏡かけて、窓際に座って、Bセット注文したのよ!」
ミカは興奮をあらわにして大声で叫んだ。
私は、心の中で秘密にしていた小箱のふたをこじ開けられたような気がした。
「ねぇ、櫻井翔は今までも来てたの?」
「……、さぁ、どうだろ? よくわからないな…。でも、人違いじゃない? うちの店にそんな有名人が来るわけないし…。」
ミカはじれったそうに、ひときわ声を大きくした。
「人違いなんかじゃないわよ! 私、『櫻井翔くんですか?』って聞いたら、『そうです。』って答えたもん! 私、握手してもらったんだから!」
それからミカはしつこく櫻井翔のことを聞いてきた。
櫻井翔が来るのなら、これから毎日店を手伝うと言い張った。
私は、櫻井翔なんて今まで店で見ていないと言って、ミカの申し出をやんわり断った。
「ミカ、長い間店をまかせてごめんね。助かったわ、ありがとう。」
礼を言う私の言葉をさえぎるように、ミカはすごい勢いでまくしたてた。
「それよりお姉ちゃん、来たのよ! 店に来たのよ!」
「来たって、誰が?」
「櫻井翔が店に来て、モーニング食べたのよ! 眼鏡かけて、窓際に座って、Bセット注文したのよ!」
ミカは興奮をあらわにして大声で叫んだ。
私は、心の中で秘密にしていた小箱のふたをこじ開けられたような気がした。
「ねぇ、櫻井翔は今までも来てたの?」
「……、さぁ、どうだろ? よくわからないな…。でも、人違いじゃない? うちの店にそんな有名人が来るわけないし…。」
ミカはじれったそうに、ひときわ声を大きくした。
「人違いなんかじゃないわよ! 私、『櫻井翔くんですか?』って聞いたら、『そうです。』って答えたもん! 私、握手してもらったんだから!」
それからミカはしつこく櫻井翔のことを聞いてきた。
櫻井翔が来るのなら、これから毎日店を手伝うと言い張った。
私は、櫻井翔なんて今まで店で見ていないと言って、ミカの申し出をやんわり断った。