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レット・ミー・ダウン【ARS・NL】

第7章 ビスケット【雅紀】

新入社員歓迎会は、会社の最寄りの駅前の居酒屋だった。

座敷に入ると、メンバーはほぼ集まっていた。

私は手近な空いている席に着くと、あたりを見回した。

相葉くんは、まだ来ていない。

隣に座った私を見て、課長が驚いた。

課長「〇〇さん、えらくおしゃれして! どうしちゃったの?」

課長は、私のハーフアップにして巻いた髪を見て冷やかした。

ハーフアップを留めているのは、グリーンのラインストーンのヘアクリップ。

仕事中はいつもひとつにくくっているだけなので、さぞや珍しかったのだろう。

実は、美容院でカットもして、髪も染めた。

相葉くんと帰ってるとき、髪の根元が気になっていたのだ。

根元からは染めてない黒い髪と、気になりだした白髪もあったから。

背の高い相葉くんに見られていると思うと、気が気じゃなかった。

課長に適当に返事をしていると、座敷の入り口に相葉くんがあらわれた。

私の胸はドキンと鳴った。

相葉くんは、いつもの通りのストレートジーンズ姿だった。

相葉くんはみんなに挨拶をした。

私にも気がつくと、ニッコリ笑って手を挙げると、遠く離れた隅の席に着いた。

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