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レット・ミー・ダウン【ARS・NL】

第7章 ビスケット【雅紀】

宴が始まった。

上司の挨拶に始まって、乾杯、新入社員の自己紹介など、毎年お決まりの流れだった。

私の前には、ササキさんが座っていた。

宴もたけなわとなった時、ササキさんは課長と日本酒を酌み交わしていた。

ササキ「〇〇さん、今日はちょっと服装が派手なんじゃない?」

◯「そ、そうですか?」

課長「いいじゃない、ササキさん! 女性のおしゃれ、結構じゃない! 」

ササキ「結婚して子供もいるのに、男漁りに来てるみたいでみっともないわよ。」

◯「すみません…。」

私はトイレに立った。

鏡に映る私は、確かに少し化粧が濃かった。

相葉くんの顔がチラついて、力が入り過ぎた。

ちょっと頑張り過ぎた。

相葉くんとは席も離れていて、一言も話しをしていない。

相葉くんは、新入社員たちと楽しく飲んでいるようで私のことなど眼中にない。

あたりまえだ。

何を期待していたのだか。

自分が恥ずかしくなった。

私はトイレを出て座敷に戻る途中、私を呼ぶ声がした。

振り向くと、相葉くんが追いかけて来た。

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