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レット・ミー・ダウン【ARS・NL】

第7章 ビスケット【雅紀】

雅「〇〇さん、今日の晩ご飯は?」

相葉くんはほろ酔いで赤い顔をしていた。

〇「カレー作って来たから。」

雅「そうなんだ!」

相葉くんは、座敷に戻ると私の隣に座った。

〇「自分の席はいいの?」

私が聞くと、相葉くんは自分がもといた席を指差して言った。

雅「ほら、俺の席、課長に取られてる。」

見てみると、課長が相葉くんがもといた席に座り新入社員たちにからんでいた。

雅「ね?」

相葉くんは自分のグラスと瓶ビールを注文すると、それぞれのグラスに注いだ。

雅「あらためて、乾杯!」

グラスをカチンとあてて、相葉くんはゴクリと喉をならして飲んだ。

相葉くんの首筋は細いけど男らしい色気があって、思わず見入ってしまった。

雅「ん、どうしたの? おかわり?」

〇「え、なんでもない…。」

私は自分が恥ずかしくなって下を向いた。

雅「〇〇さん、素敵な髪飾りだね。キラキラしてて、きれいだねー。」

〇「あ、あ、ありがとう…!」

そんな私を、ササキさんがジロリと見た。

ササキ「〇〇さん、着飾ってきた甲斐があったみたいね。」

雅「え?」

〇「あ、あの…!」

私がササキさんの言葉をごまかそうとあたふたしていると、ササキさんは追い討ちをかけるように言った。

ササキ「私、この前見たのよね。二人が自転車とバイク押して歩いて帰るところ。〇〇さん、学童保育のお迎えあるとか言いながら、チャラチャラおしゃべりしながら歩く時間はあるのね。」

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