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レット・ミー・ダウン【ARS・NL】

第7章 ビスケット【雅紀】

ササキ「子供迎えに行くから残業断ってさっさと帰るくせに、相葉くんとは楽しそうにおしゃべりしながらチンタラ歩くのよね。」

雅「え、そうだったの…?」

相葉くんが、驚いた顔をして私を見た。

ササキさんの言うことは事実だ。

相葉くんにかまってもらって喜んで、浮かれて調子にのっていたのだ。

目に涙がじわりとあふれてきた。

夫も子供もいながら、若い男の子との数分間が嬉しくて舞い上がっていた自分を恥じた。

相葉くんに嫌われた。

そう思った時、

雅「ごめんなさい!」

相葉くんがすごい勢いで頭を下げた。

〇「え…?」

私とササキさんがあっけにとられていると、相葉くんは再び謝った。

雅「本当にごめんなさい! 毎日話しかけてたのは、俺なんだ! 〇〇さんはきっと断りきれなくて付き合ってくれてたんだよ!」

〇「あ、相葉くん、頭を上げて…。」

雅「〇〇さん、ごめんね。子供さん迎えに行くなんて、俺知らなくて…。」

ササキ「ふんっ!」

ササキさんはそっぽを向くと、日本酒を手酌した。

そして間もなく、宴はお開きになった。

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