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レット・ミー・ダウン【ARS・NL】

第7章 ビスケット【雅紀】

〇「ありがとう。でも大丈夫だよ。」

雅「大丈夫じゃないよ。痴漢が出るって、女子社員が言ってたよ。」

〇「こんなオバさん、襲う人なんかいないわよ。」

雅「〇〇さんはオバさんなんかじゃないよ!」

相葉くんが、急に立ち止まった。

〇「え…。」

雅「〇〇さんは、オバさんなんかじゃないよ。自分のこと、そういう風に言うのやめなよ。」

〇「でも…。」

雅「じゃあさ、〇〇さんは俺と二人、夜道を歩いていて怖くないの? 」

〇「相葉くん…?」

雅「俺だって男だよ? やるときは、やっちゃうかもよ?」

相葉くんの顔からは、いつもの笑顔が消えていた。

鋭い、男の顔だった。

相葉くんが、一歩、私に詰め寄った。

〇「あ、あいばく…。」

雅「なーんてね! どう? こんな男全開の雅紀くん!」

相葉くんは、そう言うとひやっひゃっと笑い出した。

〇「ば、馬鹿っ!」

私は、堰を切ったように涙があふれてきて、その場に崩れ落ちた。

雅「ご、ごめん! 俺、怖かった? お酒のせいかな、怖がらせるつもりはなかったんだよ!」

相葉くんは私のそばにしゃがみ込んで、オロオロしていた。

雅「男は危ないよって、それを言いたかっただけで…! 本当にごめん!」

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