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レット・ミー・ダウン【ARS・NL】

第11章 サイコロ

マジックバーを後にして、駅へと向かう。

少し飲み過ぎたワインのせいで足元がふらつく。

ホームへと下りる階段の最後2〜3段でよろけて転倒。

「痛ぁ…。」

目の前には、ポケットから転げ落ちたサイコロの「2」の文字。

「大丈夫ですか!?」

飛んで来たのは、サラサラヘアの駅員さん。

優しく抱き起こしてくれた。

「痛っ!」

足首を捻挫した上、膝をすりむいている。

「こっちに来てください。」

駅員さんは、私を抱き抱えるように駅務室に向かって歩き出した。

駅員さんは細いのに力が強くて、私の体をしっかりと支えてくれた。

時折、私の顔を心配そうにのぞき込んだ。

鼻筋の通った、きれいな顔立ちにドキドキした。

駅務室に入ると、救急箱を出してきて、膝を消毒してくれた。

膝までたくし上げられたスカートが恥ずかしくて、顔が赤くなった。

「はい、これでOK。」

手当が終わると、駅員さんは目尻にしわを寄せて笑った。

「あまり飲み過ぎないでね。気をつけて帰ってね。」

私は申し訳なくて、駅員さんに深々と頭を下げた。

その時、また胸ポケットからサイコロが落ちた。

数字は「4」。

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