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レット・ミー・ダウン【ARS・NL】

第11章 サイコロ

それからというもの、私の生活は一変した。

人恋しくなるとサイコロを振って、彼らと逢瀬を重ねた。

ベーカリーの店主はあっけなかった。

部屋に誘ったら、とことこ付いて来て簡単に堕ちた。

はじめは、不安そうにおびえた顔をしていたが、いざ始まるとしなやかなヒョウのように私を攻めた。

ギャップが半端なく、私を燃え上がらせた。



駅員さんは、勤務時間があるのでちょっと苦戦したが、やっと連絡先を交換した。

今度の休みに、食事に行く約束をした。



バリスタは、あのあともう一度サイコロを振って再会してからは、もうお構いなしにうちにやってくる。

激しく求められてつい大きな声が出てしまった時、隣の「トーマ」に壁をドンドン叩かれた。

「トーマ」は、私の相手がバリスタだとは知る由もなく、バリスタは「トーマにもっと聞かせてやろうぜ。」と、ますます激しく私を鳴かせた。




先輩は、身持ちが堅かった。

サイコロのおかげで、二人で泊まりの出張になった。

夕食の後、バーに寄って少し飲んだが、先輩は芋焼酎ロックを飲み続けた。

先輩は、酒に強かった。

私は酔ったふりをして、もたれかかってみたが、「おい、大丈夫か? 気分悪いか? もう帰って寝た方がいい。」と言い放った。

その後はさっさとホテルに戻り、先輩は私にミネラルウオーターを渡すと、「じゃ、おやすみ。」と自分の部屋に入って行った。

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