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レット・ミー・ダウン【ARS・NL】

第11章 サイコロ

私は、堕ちた男と、堕ちそうな男に夢中の日々を送った。

駅員さんと食事をした時に、お互い野球観戦が好きだとわかったので、一緒にスタジアムに行く約束をした。

スタジアムでは、駅員さんと応援に盛り上がり、二人の距離は一気に近くなった。

スタジアムの帰り、駅員さんが車で送ってくれた。

私のマンションの前まで送ってくれて、別れ際にキスしてくれた。



サイコロを手に入れてからは、まさに薔薇色の毎日だった。

自分の中からフェロモンとアドレナリンが沸き立つ感覚があった。

仕事も波に乗っていた。

男たちからもらうエネルギーが、私を仕事にも突き動かしていた。

その夜は、数日後に控えた内覧会の準備に追われ残業していた。

時計を見るともう遅い時間。

オフィスには、私と、先輩と、課長の三人。

「コーヒー淹れますけど、飲みますか?」

先輩と課長は顔を上げた。

「うん、飲みたい。ありがとう。」

先輩と課長はブラックを要望した。

私は、給湯室に向かった。

コーヒーメーカーに水と豆を入れて、スイッチを押す。

いつもなら、コーヒーが抽出されるまでの間はデスクに戻って仕事をするが、今日は休憩がてらポットに落ちるコーヒーの雫をながめていた。

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