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レット・ミー・ダウン【ARS・NL】

第2章 オニオンリング【和也】

「食べ終わったら、さっきのショップに戻っていい? 会員カード直してもらうから。」

「ただの会員カードでショ? 直さなきゃなんないんデスか?」

和也は、指についたケチャップをペロリとなめた。

「絶対に直さなきゃならないことはないけど…。 やっぱり間違われるのは、いい気分じゃないしね。」

「まぁ、ワタシも名前をきちんと読まれたことありませんカラネ。 わからなくはないデスよ。」

和也は、ストローでコーラを吸い上げた。

吸い上げる口がすぼまって、子供のような顔つきになってかわいい。

「いっそのこと、そんな面倒くさい名字、やめちゃったらどうデスか?」

「え?」

「ワタシ、名前は読みにくいデスけど、名字は間違えられたことありませんヨ。」

「和也、それって…?」

和也は、コーラのグラスを置いた。

「あげますよ、ワタシの名字。それとも、〝二宮〟じゃ不満デスか?」

「そ、そんなこと…!」

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