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第9章 かわいいひと〜懐く〜



相葉は何故か驚いた顔をして俺を見る。



「どうした?」

「先生、俺の名前知ってんの?」

「知ってるよ。なんで?」

嬉しそうに、はにかむ。

なんなんだよ。

冗談っぽく俺は訊いた。

「知ってると思わなかったのか?
…さては…お前…
俺の名前知らないな?」

笑ってやろうと待ち構えてたらボソリと言う。

「…和也。」



いや…参った…

…新鮮だった。

下の名前を呼ばれる事が無いから。

さっきの相葉と同じように、きょとんとした顔になってると思う。

俺まで、はにかんだら変だからなんでもないフリをして。

レオの顔を見て、助けてくれ、って心の中で呟いた。

くぅん…

俺の気持ちを読み取ってくれたように近づいてきたレオに、ありがと、って体中を撫でてやった。

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