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第13章 かわいいひと〜クリスマス〜



それから一旦、ロッカーに大事にマフラーをしまって仕事に戻った。

にやけた顔が戻らない。

バイト仲間にも突っ込まれた。

「なんでそんな嬉しそうなの?」

「まあね。」

意味深に答えて仕事をした。

さっき先生が言ったんだ。

“いいことあるよ”

って。

いいことあったよ。

時間まで一生懸命働いた。

帰る準備して先生のマフラーをして、さあ帰ろうと何気なく携帯を見たらメールが届いてて。


『誕生日おめでとう!
メリークリスマス!』


先生…

『ありがとー!』

返信して、マフラーに顔を埋めて帰る道。

寒い。

けど、あったかい。

マフラーからは先生の匂いがして。

にやにやが、とまらなーい。

鼻まで埋めると幸せ過ぎて声まで出して笑ってしまった。

「くふふ。」

史上最高の誕生日だとスキップしそうなほど軽やかに歩いた。

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