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第15章 かわいいひと〜アプローチ〜



部屋に入って靴も脱げずに立ち尽くしている俺。

言った…

言っちゃったー。

勢いで言ってしまった。

あれはどう考えても失敗じゃない?

先生の顔も見れなかった。

完全なる言い逃げだ。

「あーーっ!」

玄関にしゃがみ込んでマンガみたいに頭を抱える。

明日からどうすればいい?

どんな顔して会えばいい?


……


ほっぺ。
柔らかかったな。

本当は口にしたかったな。

いつまでもこうしていても仕方ないからヨロヨロと立ち上がり冷蔵庫から水を出して一気に飲み干した。

とりあえず風呂入ろ。

明日のことは明日考えよう。

マフラーを外す前にクンクンと吸い込んだ。

先生の匂い、消えかかってたの。

今日のは俺の優しさと前から企んでいたこと半々。

先生の匂いを嗅いで喜ぶ変態な俺だけど正真正銘、先生への愛ゆえ。

俺って健気だ。

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