無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

それと、もうひとつ。

大事な話。

先生に言わなきゃいけないこと。

放課後、先生のところに寄ったら、いた。

「せんせー。
今ちょっといい？」

なんとなく気恥ずかしくてチラッと顔を見たら先生も恥ずかしいのか一瞬、目が合っただけで。

「おう。いーぞ。」

「俺の進路って櫻井から聞いてる？」

「いや。」

「あ、ちょっとね。
遠いんだよね。
動物関係の学校なんだけど…」

「…そっか。」

やっぱりショックだよね。

嫌だよなぁ。
卒業してすぐ離ればなれって。

って、うぬぼれ過ぎ？

「ごめんね。
でも帰ってくるから。
ちゃんと…」

「遠距離？」

唐突にひと言。

そして笑い出した。

「遠距離か。
なんか遠距離恋愛に縁があるなー。」

ああ。前の彼女…？

黙ってた俺に安心させるような笑顔を見せて、

「はじまる前から心配しても仕方ないしな。
ちゃんと、ひとつずつやっていこ？」

そう言ってくれた。