Everything
第19章 かわいいひと〜近くて遠い〜
へへっ。
照れ臭そうに笑ってる。
「もー。
ダメって言ったじゃん。」
「ごめん。」
「お酒臭いよ。」
「ごめん。」
先生を腕の中へ抱き寄せて髪の毛を撫でた。
「最初にキスしたの、覚えてる?」
「そりゃ、覚えてる。」
「あの時さ、思ったんだよね。
“もっと”
って。」
「…」
「やらしいでしょー。」
「…ふふ。」
「でねー。
その後もね、先生のキスを思い返してはね、
あのままキスしてたらどうなってたかなぁ、
舌入れたら…、
とか、
そんなことばっか考えてた。」
グイッと顔を上げて俺を見上げる先生はニヤけてた。
「やーらしー。」
俺を茶化しながらデレた顔を向けるから頬ずりをして呟く。
「たぶん、あの時から先生のこと好きだったんだと思う。」
抱きしめる腕に力を込めた。