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第20章 かわいいひと〜少しだけ〜
ひとつ授業を終えて準備室に戻ろうと歩く廊下。
数名の生徒から声をかけられて適当に返事をして通り過ぎる中、前からよく話しかけてくる女子が俺の腕に触れる勢いで近づいてきた。
「二宮先生!
先生って仲良い男子と遊んだりするの?」
意味がわからないけど嫌な汗が背中を伝う。
相葉のことを言ってるのか?
どこかで見られた?
「なんで?」
「この前、見かけたの。
あれ絶対、二宮先生だったと思う。男子高校生と一緒だった?」
「駅とかで一緒になったのかも。」
適当に交わしたつもりがまだ終わらせてくれない。
「えー、駅じゃなかった。
仲良さそうだったしー。
私も先生と学校出てから遊びたい。」
「なんで遊ぶになるんだよ。
帰り道でしょ、普通に。」
努めて冷静になんでもない風にそう答える。
「ふーん、でも先生と遊びたいの。」
「なに言ってんだー。友達と遊べよ。」
少し肩に手をかけて笑ったらもう無理だと察してくれたのか、
「はいはい、」
とふて腐れた。