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第21章 かわいいひと〜卒業〜
高校を卒業する。
信じられない。
まだまだ子どもだと思ってたのにいつの間にか大人になっていく。
通い慣れた学校。
校舎も校庭も。
なんでもない風景が愛おしくもあり名残惜しくもあり。
昨日、先生にメールしておいたんだ。
『最後に準備室で会おう』
だから少し早めに学校へ着いて準備室へと足を運ぶ。
母ちゃんは式の時間に合わせて後から来るって。
準備室のドアを控えめにノックして開ける前に声をかける。
「先生?」
「お、相葉。おはよう。」
先生は…っていうか大ちゃんも櫻井もいつも軽めの服装だから時々見かけるスーツ姿はドキッとする。
今日の先生は更にキレイでパリッとしたスーツ。
一張羅?
かっこいい。
なんか見とれちゃう。
そんなことを思ってた俺に、
「いつもの制服姿なのに違うみたい。」
両肩に手を置いて俺の制服をサッと払うような仕草をした。