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第24章 かわいいひと〜ひとつに〜
先生にしがみついて胸に鼻も頬も口も擦りつけた。
「ふふ。
くすぐったいよ。」
先生はそんな俺の首筋に唇を這わす。
「…ん…」
気持ちいい。
なにもかもが気持ちいい。
「ね、俺、訊くの怖いのがある。」
「なに?」
「あの時。
もしも俺じゃない人があんな場面に出くわしてたら、どうしてた?」
訊いたくせに…
訊きたかったくせに…
怖いなんてバカだ。
目を見るのが怖くて先生の胸におでこを押し当てた。
「先ず…家に入れてない。」
「…マジで?」
「マジマジ。」
「なんか嘘っぽい。」
「はあ?
嘘なもんか!
家に入れたとしても…
入れない、うん、入れないよ、やっぱ。」
自分で言って自分で解決?してる。
しばらく考えてから答える先生。
「じゃあ入れたとしてのことを考えてみたけどさ。
どうしても帰すのが出来なかったとして。
やっぱ一緒には寝なかったね。
布団とかじゃなくて。
俺が出て行ってた。
大野さんか翔ちゃんとこに行ったな。」
自分の答えに納得して俺の顔を掬い上げた。