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第25章 かわいいひと〜旅立ち〜



今日、入学式に合わせてお母さんも一緒に行くってなったらしい。

寮とはいってもそれは学校に隣接の生徒用に借り上げているアパート。

お母さんは今日そこに泊まるって。

先に送った荷物と後少し生活用品を買い揃えるって言ってたから、それらを片付けたりするんだろう。

出る時間をあらかじめ聞いておいたから翔ちゃんや大野さんに伝えたら二人とも見送りにやって来た。

雅紀の仲の良い松本も。

翔ちゃんが駅まで送るって車に乗る前に集まった人たちに雅紀とお母さんが頭を下げる。

「ありがとうございます。」

「帰って来る時は連絡しろよ?」

松本が言うと、

「わかってるって。」

と雅紀が返事した。

「お酒飲めるようになったら飲もう。」

「俺も言おうと思ってた。」

大野さんと翔ちゃん。

「うん。楽しみにしてる。」

そして俺を見た雅紀にちょっとだけ涙が出そうになった。

「体に気をつけて。」

「うん。」

一瞬ちょっと掠める手。

やっぱり泣きそうになった。

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