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第27章 かわいいひと〜不安と不安〜
雅紀との時間や雅紀そのものをまるごと堪能しようとしてた俺は、雅紀のことを置き去りにしそうになっていた。
自分のことばかりで自己嫌悪。
両手で雅紀のことをしっかり抱きとめた。
「ごめん、ごめんね。」
「ううん。」
雅紀も俺の背中に回していた腕に力を込める。
ちゅっ
小さく可愛く鳴らしたキスの音。
布団をかぶせて抱きしめ直して眠ろうとしてごそごそと体勢を整えてると雅紀の不思議そうな声。
「え?和也?」
「ん?」
「寝るの?」
「うん。今日はもう寝よ?」
「うそ!寝れるの?」
「寝れるよ…たぶん。」
そう言って雅紀の頬を胸にあてた。