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第28章 かわいいひと〜委ねる〜



「…先生…

先生…」

俺の呼ぶ声に少し遅れて先生が髪の毛を撫でてる。

気持ちが落ち着いてきて先生の言葉が静かに耳に届く。

「雅紀?
落ち着いたか?

俺はさ…

お前のこと大好きなんだよ?

なんでそんなこと言うんだ?」

堪えきれずこぼれ落ちる涙を先生が唇で救う。

「だって…

俺がビビリだから…
俺のこと…
あんまり触らないし…」

「それは…やっぱりちょっと我慢っていうかさ。
身体だけを求めてる訳じゃないんだし。
お前を怖がらせたくもないし。」

「…我慢?」

我慢してるの?

もう触るの嫌なんじゃないの?

めんどくさいって思ったんじゃないの?

「そう。
お前を怖がらせたくはないから。
くっついてるだけでも幸せだし。」

全部、俺のため?

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