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第28章 かわいいひと〜委ねる〜



「だからなんにも心配することない。
俺、お前が思ってるより、」



途中で口をつぐんだ先生。

先生の顔を今日初めてちゃんと見た気がする。

ちゃんと見つめると俺のこと好きだって顔にしか見えなくて自分がどれだけビビって信じていなかったかを悟る。

そっと手のひらを右の頬にあてたら続きを言うのが直に伝わってきた。

「お前が思ってるよりずっと好きだって…」

「…ありがと。」

「ありがとうじゃないよ、もう…。知ってるだろ?」

優しく言ってるけど少し怒ってるみたい。

「ごめんね。」

「まったくー。信じられん!
俺のこと信じてないお前が信じらんない。」

俺のことを呆れたと言わんばかりに、はあー、って大きなため息までついた。

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