テキストサイズ

Everything

第3章 恋しくて

たこ焼きとビールを手にした二宮さんを見て可愛いな、と目を細める。

花火を見ないといけないし、二宮さんを見ないといけないし。

忙しい。

そんな自分がおかしくて思い出し笑いをしそうになる。
なんか俺、楽しそう?

二宮さんが食べ終わったゴミを受け取ろうとビニール袋を開けて入れて、って視線で伝えた。

「ありがとう。」

「いいえ。」

松本さんにも声を掛けると同じようにお礼を言われた。

又 花火が上がる。

俺は二宮さんのとなりに立ち左手にゴミを持ち替えて右手で二宮さんの手を繋いだ。

ピクリと動いたから外されるかなって思ってたらそのままにされた。

うれしくて。

このままどこかへ連れ去りたい気分。

しあわせな気持ちのまま打ち上がる花火を見つめていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ