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第5章 その先へ

ワン!

近くをおじいさんと散歩する犬が通った。

「…にのちゃん?今どこ?」

「…へ?」

「下にいるの?」

あぁ…。
犬の鳴き声が聞こえたんだ。

「…うん。」

「ちょっと!すぐ行くから動かないで!」

バタバタした音が聞こえたかと思ったら通話は切られて。

携帯をしまうのと同じくらい嘘みたいに早く目の前に現れた相葉くん。

息切らして。
肩を揺らして。

やばい。

泣きそうだ。

相葉くんを見たらホッとした。

涙が出ないように上を向いたり他のことを考えようとしたり。

ぐっと拳を握りしめてわざと笑おうと顔を向けたら、腕を引っ張られてグングン中へと連れて行かれた。

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