快楽教師
第7章 曽根崎×東妻
「…あの」
―恐れていた事態がおきてしまったっす…。
東妻は目をまるくして香坂を見つめるしかなかった。
香坂は敷き布団の上にちょこんと正座し、顔を真っ赤にして、言葉を探していた。
「あの、え、これは…!」
「おきたら…曽根崎先生と東妻先生が……してて。
いや!!あの、すみません…見るつもりじゃなくて……」
質問するまでもなく、香坂はすらすらと話す。
つまり、一部始終をキッチリ見ていたのだ。
なんとか弁解しなくては……!
「百合子先生!違うっす…!」
「ひゃっ…」
思わず立ち上がると、香坂はますます顔を赤らめて距離をとった。
…どうしたんすか?
百合子先生の視線は、俺のある一点を見詰めていた。
「えっ?」
俺も下方へ視線をずらすと、しまい忘れたもうひとつの自身が見えた。
「ゴッ…ごめんなさいっ!!」
あわててしまっている隙に、香坂はいたたまれなくなったのか、その場から走り去ってしまった。