箱……捌
第4章 【強者】の選択
「―――――…ふっ…君は…こんな状況でも【強者】を気取るんだね…
君が…僕にしたこと…忘れたりしないよ…」
そう言うと…
遠多君は、俺の横を通りすぎ…
後ろの彼に近づく…
「――――――…はぁ?俺がお前に何をした!!」
俺は、彼の言葉にビクンとする…
――――クラス全員で桜井ヤろうぜ―――――――…
フラッシュバックの様に…彼の声が俺の…地獄を呼び覚ます…
「―――――…何…を?
君が……僕を…売ったんだろ?」
「―――――…」
後ろで…二人がどんな顔をしながらやり取りしているのか見えない俺は――――…
ただ…ただ…怖かった…
遠多君も…逆らう彼も…
「―――ま…今となっちゃ…ど〜でもいいけ…ど!」
「!ん゛〜〜〜〜〜〜!?」
グサっ―――――――…と…
後ろで聞こえる…
刺した……?
―――――…あの彼を?
「ぅわ!!木戸口!!」
いや!違う奴を刺したんだ!!
彼が…刺されたクラスメイトの名前を叫んでいる!!
「――――……五月蝿い…よっと…」
「んぐぁ!!」
また!?刺した…
「阿部!!」
また…彼じゃない…
まるで遠多君は…彼に見せつけるように…それから…何人か刺しつづけた―――…
その度に…彼は…刺される友人の名前を叫び…
悔しがるように…
泣いていた――――――…