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異彩ノ雫

第32章  十ノ月




小さな紙片に言葉をひとつ
淋しい…
哀しい…
恋しい………

折り畳んでボトルの中へ

カサリと微かな音を聞いたろうか
涙を風に散らせて
空を見上げたろうか

封じ込めた想いが
時を越えて 汀に横たわる

流れ着いた
遠い誰かの心の軌跡…

せめて今は 静かに眠れ
暖かな白砂につつまれて







【漂う】



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