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異彩ノ雫

第32章  十ノ月




風のそよぎに
レースのカーテンは
息をするように膨らみ
こぼれた日差しは
煌めきながら
指先で白くはじける

ゆっくりと淹れたダージリンを
カップに注げば
白磁の中で秋が揺れる

立ち上る香気と
遥かに流れる薄い雲

今 あなたを
静かに微笑むあなたを
想う……







【昼下がり】


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