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異彩ノ雫

第36章  十ノ月 ③




雨音に包まれて目覚める朝は
どこか物憂く
夢とうつつが
溶け合いながらすぎてゆく

雨の中
たたずむあの人がいるようで
手を伸ばしては宙をつかみ
ぬくもりは幻と消え果てる

雨の日は
このまま虚ろな時に
身をまかせて流れたい…







【めざめ】


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