テキストサイズ

異彩ノ雫

第64章  一ノ月 ③




眠れぬままに落とした針は
想いを奏で
時を静かに巻き戻す

闇をたゆたう
古いシャンソン

ジュテーム
…ジュテーム
……ジュテーム

あなたが教えた異国の言葉は
甘やかに響く愛の囁き
調べに合わせて口ずさむ人に
夢をみた…


ふいに
午前3時の鐘が鳴り
耳に馴染んだリフレインが
ブルーグレーの夜を濡らす







【追想】


ストーリーメニュー

TOPTOPへ