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異彩ノ雫

第79章  三ノ月 ③




宙に刺さるほどの

摩天楼を見上げれば

淡く霞む小さな星



この手が

届くと信じていた煌めきは

今もなお

心を誘い 睫を震わせる



揺れる想いの春の宵…



そっと指を伸ばせば

ヒールの足元を攫うように

風がひとすじ吹き抜ける







【摩天楼】


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