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異彩ノ雫

第7章  七ノ月 ③




長い眠りから

深紅の精を揺り起こせば

注がれるグラスの中

遠い記憶が浮かびくる



海からの乾いた風

降り注ぐ光…

紅に揺れる豊かな実り



その日

眠りに就かせた薫りの中に

何の祈りを込めただろうか…



ひとくちを そっと含む時

悠久の想いが

胸の奥に炎をやどす







【芳醇】


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