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異彩ノ雫

第86章  四ノ月 ②




風のなか
闇を忍んで足早な鼻先を
白いひとひらが掠めて落ちた

ふと 見上げる薄墨色の空に
淡く広がる花の雲…
静まりながらも はらはらと
肩に 背に 降りかかる

思わず 知らず
伸ばす手先を逃げる花びら…

追いながら迷いこむ夜の中
耳を立て
高みに浮かぶ月へとささやく

n・y・a・o…


月がふわりと笑いをこぼす







【戯れる(じゃれる)】



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