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異彩ノ雫

第88章  四ノ月 ③




弾かれて目を覚ませば
窓をうつ雨の音
夜はまだ底を見せない

細く開けた窓の遠くで
滲む明かりが胸にせまる

雨を跳ねあげ
過ぎる車の水音は
ラジオから流れる潮騒と
溶け合いながら 波を映す

再び堕ちゆく眠りの中
あなたとふたり
幻の碧に染まりゆく







【幻灯】


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