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異彩ノ雫

第90章  四ノ月 ④




誰が決めたか
待ち合わせは 門の前

葉桜となった道も
懐かしく
少しの恐れと羞じらいを
ひと足ごとに増しながら
時をゆるやかに巻きもどす

風景が
切ないものに変わるのは
いつの頃からなのだろう

いつもの道は
いつか、の道に…

目をあげれば
時を経ても変わらない
さざめく声と弾ける笑顔
ほのかな感傷も消えてゆく

早めた歩なみの足元を
柔らかな風が 吹き過ぎた







【再会】


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